THE SMITHS



スミスの結成は1982年。オリジナル・メンバーは、モリッシー(Vo)、ジョニー・マー(g)、アンディ・ローク(b)、マイク・ジョイス(dr)。

地元マンチェスターでのライブが話題になり、アズティック・カメラやスクリッティ・ポリッティで有名なインディ・レーベルのラフ・トレードと契約。

■アルバム
1984 The Smiths 
1984 Hatful Of Hollow
1985 Meat Is Murder 
1986 The Queen Is Dead 
1987 Strangeways, Here We Come 
1987 The World Won't Listen 
1987 Louder Than Bombs
1988 Rank 
1992 BEST 1 
1992 BEST 2 
1995 Singles 
2001 The Very Best Of The Smiths 
2008 The Sound Of The Smiths 

1983年非常に美しいギターのメロディラインが印象的なデビューシングル「ハンド・イン・グローブ」をリリース。

それから、スミスの評判は日増しに高まっていき、NME誌の人気投票・新人部門において1位となり、デビューからの3枚のシングルがイギリスのインディーチャートの1〜3位を独占するなど英国で最も注目されるバンドに。

1984年、ファースト・アルバム「ザ・スミス」をリリース。
ジョニー・マーの天才的なセンスのあふれた繊細なギター、モリッシーの独特の声と詩は、英国での人気を決定的なものとなり、英国屈指のロック・バンドとなって行った。

The Smiths



ついでに、ロッキング・オン社が行った1984年5月にモリッシーに行った貴重なインタビューを一部掲載させていただく。
(参考文献:ROCK GIANTS 80'S)

●・・・オーケー、じゃ早速本題に入るけれど、君の歌に出て来る”あなた”は天使だったり悪魔だったりするよね。それは君の無垢を汚す存在であることも、無垢ゆえに君に汚される存在であることもある。

○「それは僕が同じような歌ばかり書かないようにしているからだろうな。極端でない程度のバリエーションを曲ごとに与えるんだよ。

僕は弱弱しい男の声ってのが本当に好きでね。何を聴いてもヘビーでマッチョな、オトコだぞ〜!って声を張り上げてるんでうんざりだったんだ。大体、現実の男がすべてそんな風なわけはないしさ。で、いささか毛色の違う声が出てきてもいいんじゃないだろうか、って思ったんだよ。」

●ポップの最もよくないところは、耳障りなまでに押しつけがましい点だと思うのだけど、君の歌はちょっと違うね。もっと、沈み込んで内を向いた悲しみが漂っているというか、殆どパーソナルなレベルを突き抜けているというか。

○「それはとても大事なことなんだよ。だって、「かわいそうな僕」みたいな歌は本当につまらないと思うからね。でも確かに僕の歌詞には、諦念にも似た純粋で邪気のないトーンがあるけれど、見方によってはひどくひねくれていて、意味などないようにも取れるんだよ。よく、おまえは鼻持ちならん、って手紙をもらうよ。」

●みんなが君の歌を、斬新な形式とスタイルのものだと見なしているわけだけれど、その理由の一つには歌のムードとか、歌われている心境とかが今までにないものだから、ってことがあるよね。どうして君はこんなにメランコリーに浸りきっているんだろう?”リール・アラウンド・ザ・ファウンテン”で歌われているように、君は”大人にならされてしまった子供”なのかな。

○「その通りだと思う。僕はいつでも大きな子供さ。でもこれを言ってしまうと説明過多かもね」

●ジョニーの曲に合わせて詩を書く以前には、ポップにはどのくらい関心があったの?

○「ずっと関わってはきたんだ、僕は今起こりつつあることに対して凄く好奇心の強い方だからね。実にスリリングで魅力的な分野だな、ってずっと思ってはいたんだよ」

「で、スミスを始めた時まず考えたことは、今でこそとても基本的な言葉が使われるべきだ、ってことだった。世の中、物凄く抽象的な言い回しが多いけれど、あれじゃ難しいことなんかよくわからないことなんかよくわからない連中には絶対通じないよ。僕の信念は、最も力のある言葉は最も基本的な言葉だということ。

そして、言うべきなのに全然いわれてないことが随分あると思ったよ。ありきたりのポップのターミノロジーじゃ不十分だと思ったから、未だに使われてない表現を使うことに心を配った。」

「そりゃ本質的な才能の有無は多少関係あるだろうけど、でも才能ってのは、才能を売る才能も必要とするからね。ただギターが上手いだけじゃ、一生ベッド・ルームに埋もれて終わりかねないぜ。自分の持っているものを、人に示す方法を見つけなきゃ駄目なんだよね。」

「そしてもう人が使わなくなった言葉をもう一度取り戻そうという試みでもあるわけ。毎日の生活の中で皆の使っている言葉は物凄く限られていると思うし、それこそ10文字以上の単語なんか使おうものなら凄くスノッブな感じがしちゃう。そういうのは僕みたいな労働者階級出身の人間には扱いきれない」

「僕は、スミスってのはポップ・ミュージックをずっと超えたものだと思ってるんだ。随分生意気な言いようだけど、本当なんだよ。もし僕たちが単にモダン・ポップの一員にすぎないとしたら・・・君とこんな話はしていないよ」

●ジョニーの音楽の、どういうところに惹かれたんですか。

○「彼は凄くシンプルなものを理想としていて、それは当時凄く珍しいことで、しかも僕ら二人がやりたいことの絶対な基本だった。それから奴は仕事が早くて、余分な心配をしなくて、そこも気に入ったね。皆、人のやっていることについて喋るのはたいそう好きだけど、自分で何かやって楽しんでる人間ってのは少ないよね。まあ、これが僕らのバンドの歴史さ。たまたま、いろんなことがうまくいっただけなんだよ。」

●ジョニーが君を引っ張り出してくる前は君は何をやってたの?

○「読書。朝から晩まで読書。子供の頃は本に埋もれて過ごしたんだ。本ってのはあんまり読み続けるとある時点で頭が病気になるんだよ。誰かが来てドアを叩いただけで、そのことについて異常に分析的になったりして。でもまあ、それが今の強力な武器になってはいるよね。あの時期がなかったら、この新しい環境でやっていけなかったと思うし、スミスも、現れては消える普通のバンドにんっていただろう。真面目にそうおもうよ。」

1982〜1984年と言えば、JAPANやカルチャー・クラブ、デッド・オア・アライブ、デュラン・デュラン等が人気がある一方で、ポリス等のパンク・NWから登場したバンドが人気があり、ポジティブ・パンク、ハード・コア・パンクなど様々な面白い音楽が次々に出ていたし、ハード・ロックも非常に人気があった時期と重なる。

僕自身、スミスはその中の一つのバンドとして聞いたし、当初の印象は「全体的なトーンは非常に暗いが、ギターの旋律が非常に美しく頭に残る」といった物だった。

僕自身がギターを弾くので、どうしてもギターに耳が行ってしまうという少々偏った部分はあるとは思うが、明らかにハード・ロックやメタルのギターとも全然違うし、パンクのコードをガンガンかき鳴らすギターとも全く違う・・・

別にトリッキーなギタープレイはしていないし、U2のエッジや、BAUHAUSのダニエル・アッシュの様にエフェクターを掛けまくった独特のプレイをしていたわけでもない。

単純に基本的なギターのメロディ・ラインが、まるで歌っているかの様な美しいラインで構成されており非常に斬新な感覚を覚えた。

当然ZEPPと比較なんて出来ないが、ジミー・ペイジのギター・リフが強烈に頭に残るように、ジョニー・マーの美しい旋律を奏でるギターも強烈に頭に残る。
同レーベルであった、ネオ・アコと呼ばれたアズティック・カメラのロニー・フレイムのギターワークも印象的な物だった。

それとは、また違う強烈に印象に残るギターの旋律を弾いていた。
では、そんなバンドはどの様にして結成されたのだろう?

ジェームズ・ディーンとオスカー・ワイルドを愛し、自閉症的な生活を送りながらNYドールズの大ファンだったモリッシー。NME誌への投稿で地元では割と知られる存在となっていた。

そんな、彼と洋服屋で働きながら曲作りをし、ギターの表現する場を探していたジョニー・マーが出会い、意気投合することから二人の運命が・・・そしてバンドが動き出す。

なんというか、言葉で表現するのは難しいのだがそのボーカルやギターには、ハード・ロックやパンクにある様な、いわゆる音楽的に男性的な攻撃的なマッチョさが無く、詩の意味の深さや、美しいギターの旋律に芸術性が感じられるといえば伝わるだろうか。

そして、彼らが毒々しいメイクで飾りたてることなく、全く自然体であったことも当時としては新鮮だった。
というのは、1980年代からは単純にその楽曲やライブで売っていくというよりも、視覚に訴えかけるためMTVによる映像のインパクトにより売れていくという構図が出来てきたため、パンク・NWにしても、ニュー・ロマンティックにしてもメンバー自身の強烈なビジュアルが前面に出ている物が多かった。

そんな中で、まるで国が支給した様な眼鏡をかけたりもする、自閉症的な生活を送っていた普通の青年が逆に斬新だった。
人気バンドとなっていたという事も後押しし、逆にスタイリッシュに見える気もしていた。
非常に個性的な音楽とスタイルを彼らは提示した。

1985年「ミート・イズ・マーダー」、1986年「ザ・クイーン・イズ・デッド」、1987年「ザ・ワールド・ウォント・リッスン」、「ストレンジ・ウェイズ・ヒア・ウイ・カム」、バンド解散後の1988年ライブ・アルバム「ランク」をリリース。

Meat Is Murder




The Queen Is Dead (Deluxe Edition)






The World Won't Listen




Strangeways, Here We Come




Rank




それ以降は、ベスト盤が発売されたり、コンプリート・リマスターが発売されていく。一番上のコンプリートがリマスター版で音質もよいので入門編にも最適だし、再度80年代の思い出に浸りたい昔のファンにもお勧めだ。

Hatful of Hollow




Louder Than Bombs






BEST OF 1




Best 2






ザ・スミス・ヒストリー




Singles Box






ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・スミス(完全生産限定スペシャル・プライス)




Sound of the Smiths: The Very Best of the Smiths





一方個人的には、解散後に発売された「ランク」が一番好きだったりする。
ライブならではの勢いがあり、オリジナルの曲とはまた良い意味で違った印象があり、最後のライブツアーの録音という事もあるのかノリも抜群によいのだ。

「ザ・クイーン・イズ・デッド、ランク、アスク、スティル・イル等々」、より強烈なインパクトを持って聴こえる、ジョニー・マーのギターがより鮮烈にかき鳴らされておりライブの盛り上がりが見えるような印象を持った最高のアルバムだ。

■関連映像

ザ・スミス:ロック・レジェンズ(字幕版)




■関連書籍

モリッシー自伝




モリッシー・インタヴューズ






ジョニー・マー自伝 ザ・スミスとギターと僕の音楽




モリッシー&マー 茨の同盟






グレートロックシリーズ/スミス:モリッシー&マー全曲解説 (グレイト・ロック・シリーズ)




レコード・コレクターズ 2017年 11月号




posted by autmaticmode at 17:15 | TrackBack(0) | THE SMITHS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする